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Monologue in the Darkness

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2006-01-18 [J] 狂気の行方

_ 境界線

→ 鬼婆と集団的狂気
どうして、人間が鬼になるのか。
「鬼になって人を食らう」というのはあきらかに深く精神を病んで
いるということである。
しかし、人間は決してただ精神を病むのではない。
「見返り」がある場合しか人間は狂わない。
正気の老女でいることより、狂気の鬼婆であることの方を彼女はど
こかの時点でみずから選んだのである。
気持ちがいいから。
狂った人その人からの、狂気への視線。その狂気は理に叶っている、なぜならばフィジカルな快感を伴うから。 それに対して、
→ 狂気に「見返り」はあるのか
精神医学という領域では、「狂気の創造性」(バリエーション多数)
を称揚するド素人と、「狂気の破壊性と悲惨」からいかに病者を
守るかと苦悩するプロの闘争が、けっこうイーブンで進行してい
るのである。
狂気はどんなものであれ、やはり生の全否定、すべてが虚無に呑み
込まれる恐怖と戦慄に彩られた危機である。それに襲われた人々
が、一時の「フィジカルな快感」のなかでその恐怖を少しでも
癒そうとしようとも、それはやはり「見返り」とはいえないのである。
”外部(おお!絶対なる世界!)”にいる人から狂気の人を見た視線。その狂気の中に隠されたかに見える真理や快楽は偽りのそれであると説く。
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