私が学生の時代。いまではすっかり飽きてしまったファンタジー物が、当時の我々の主食でした。赤箱やRQ。オリジナルをやりたい!という欲求は、当初からありましたので、世界観も自作でした。今思えばベタというか中二病というか、ある時、アーサー王伝説をモチーフにした作品を作りたいと思って、参考資料を色々買い集めた事がありました。学生ですので、お金だってたいした金額を持っている訳ではありません。限られた資金の中、内容が濃くて、それでいて安い書籍を探しました。そして出会ったのが、加藤恭子さん著のアーサー王伝説紀行―神秘の城を求めてです。
この本は中央公論新書シリーズの一冊で、当然ながら安いのですが、加藤さんが実際にイギリスを歩き回り集めた実地の情報に溢れ、また、(手に入りやすい)参考文献も数多く載せられて要る為、インデックスとしても利用可能な、まさに当時の私にとって理想的な書籍でした。
時は流れ現代・・・(w)。VtMを始めるにあたり、グループGTR様のボストンバイナイトを利用させて戴こう、という部分はスグに決定したのですが、舞台となるボストン=ニューイングランド地方については、小説や映画で舞台になる事が多く、知ってる事は少なくなかったのですが、そのものを直接調べた事はありませんでした。そこで、アマゾンで調べ(時代は確実に変わっている!)、よさそうに感じた本を購入してみました。それが、ニューイングランドの民話とニューイングランド物語―アメリカ、その心の風景でした。そして、著者名を改めてみてみると・・・加藤恭子さん!
どこかで読んだ文体だなぁ、とは思ったのですが、まさか当の本人とは思いもしませんでした。趣向が似ているのでしょうか。加藤さんの著作を見てみると、欧風の田園風景的なモチーフを扱った作品が多いことに気付きます。あぁ、ニューイングランドって、そうかそういう場所なんだ、って判った気がした瞬間でした。
ところで、GTRの加藤さん(奇遇過ぎる)が、参考にしたと仰ってた大酋長フィリップ王―消されたアメリカ・インディアンもまた、加藤恭子さんの著作なのですが、アマゾンでは品切れの模様。マーケットプレイスでの価格がありえない数字になってます・・・。